国際埠頭株式会社

設備紹介

当社の敷地面積は124,440平方メートル、東京ドームに換算すると約9.5個分です。敷地面積を生かした多数の設備の中から、当社の代表的な設備を紹介いたします。

岸壁

18万トン級本船荷役中

貨物船を着岸させるための設備で、バースとも呼ばれます。280メートルを超える長さを持つ当社の岸壁には、ケープサイズと呼ばれる外洋型の大型貨物船も着岸可能となっています。岸壁上には、大量の貨物を迅速に荷役するためのアンローダーやシップローダー、ホッパーカー、各種保管設備に貨物を搬送するベルトコンベヤを完備。また内側の陸地よりも1メートル程高く建造されており、防波堤の役割も担っています。

282メートル
17.5メートル
接岸能力18万トン級

荷役中の本船

屋内貯炭場と岸壁

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本船・内航船・艀

本船とは、一般的に船団の中心となる船を指したりしますが、港湾業界では主に外航船を表すのに使用されています。日本国内で貨物輸送を行う比較的小型の貨物船は内航船と呼んでいます。また艀とは、動力の付いていない貨物船を表し、曳船(ひきぶね)と呼ばれる曳航専用の船を使用して運用します。

内堀

内堀とアンローダー

内航船・艀等、国内輸送を目的とする小型貨物船の着岸用に内堀を設けています。本船と平行して小型貨物船の着岸が可能で、本船から直接トランシップを行う事が出来ます。保管設備を介さないため、スピーディーかつリーズナブルな積み替え作業を行えます。内堀の他に、メインバースとは異なる全長100メートルの小型バースも備えており、長時間の岸壁占有が必要な貨物を分離する等、可能な限り顧客の要望に応えられるよう努めています。

185メートル
24メートル
7.5メートル
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トランシップとは

本船から内航船や艀に貨物を積み替えることをトランシップと呼びます。当社では、本船岸壁と内堀、ホッパーカーに備え付けのブームコンベアを使用することで、倉庫設備を介さないスピーディーなトランシップが可能です。

アンローダー

アンローダー3基

ケープサイズの本船にも対応した大型の陸揚げ専用設備です。大型化する貨物船に対応出来るよう設計されており、完成当時は東洋一と謳われていました。岸壁上に並んだ3基の内、1基を予備に回す事でトラブルやメンテナンスに備えつつ、2基同時並行で1日に3万トン近い揚げ荷役が可能です。運転席は、地上から36メートルの高さに位置しており、ワイヤーで吊されたグラブバケットを見下ろす形で運転します。

ロープトロリー式
橋型アンローダー × 3基
荷役能力1基当たり1,000トン/時間

グラブを見下ろす運転席

アンローダー上からの景色

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アンローダーとは…?

港湾荷役において、無くてはならない機械がアンローダーです。アンローダーとは、流動性の高い貨物、いわゆる「ばら積み貨物」の積み下ろしを行う機械の通称です。アンローダーの種類には、メジャーなものとしてグラブバケット式、連続機械式、ニューマチックの3種類が挙げられます。グラブバケット式の形態は、超巨大なクレーンゲームを想像すると近いかもしれません。連続機械式は、バケツリレーを機械化したようなイメージです。ニューマチックは巨大な掃除機のような仕組みで貨物を吸い上げます。連続機械式とニューマチックは、設計時にそれぞれ特定の貨物に特化して建造されます。一方、グラブバケット式は、3種の中でもっとも汎用性を重視したタイプとなります。当社は複数種類の貨物を扱うため、グラブバケット式がもっとも業務に適しているのです。ちなみに、コンテナ専用の荷役機械は一般的に積み出しと積み込みが両方に対応しており、ガントリークレーンと呼ばれています。

グラブバケット

コーンを掴み取り!

貨物の比重により異なりますが、おおよそ15トンを一度に掴み取ることが出来ます。掴める量が異なるグラブバケットを複数種類用意し、貨物毎に使い分ける事で、常にアンローダーの性能を最大限発揮しています。掴んだ貨物の重量に耐えられるよう頑丈に設計しており、グラブバケット単体でもその重量は15トンにも及びます。最近では、グラブバケットの材質にステンレスを用いる等、常に改良を試みています。

一掴み約15トン

メンテナンス中!

グラブに吊された重機

ステンレス製の内部

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ホッパーカー

ホッパーカーを見下ろして

グラブバケットから落下する貨物の衝撃を和らげると共に、下部を走るベルトコンベヤへ安定した貨物の供給を行う為の設備です。ホッパーカーの上に、約100トンの貨物を滞留させる事が可能で、断続的に落下してくる貨物を連続的な流れとしてベルトコンベヤへ送り出します。搬送先設備の受け入れ性能に応じた、貨物の流量調整と言う役割も担っています。本体に運転室を設けていますが、最近ではアンローダー側からの遠隔操作を可能とする事でコストの削減に努めています。また、本船から直接トランシップを行う為のブームコンベヤを搭載しており、保管施設を経由することのない、効率的な積み替えも可能です。

搬送能力1,300トン/時間
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ベルトコンベヤ

岸壁を走るベルトコンベヤ

当社構内を縦横に走り、その総延長は3.5キロメートルに及びます。荷役設備と保管施設を結ぶことで効率的な貨物の搬送を可能としており、環境負荷の低減にも貢献しています。アンローダー2基の同時荷役に対応している等、関連設備の性能が発揮されるよう設計がなされています。また貨物によってラインを使い分け、随所に磁選機やフィルタ、カバーを設置することで搬送中の貨物保護に努めています。

搬送能力3,000トン/時間(最大)
3,527メートル

塩ライン

石炭ライン

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スタッカー&リクレーマー

スタッカー&リクレーマー全景

貨物の積み付けと払い出し、1基で両方に対応した設備です。当社では塩・硅砂を保管している野積場で使用しています。野積場に平行して、東西450メートルに渡り敷設されたレールには、ベルトコンベヤが併走しており、本船荷役により搬送されてくる貨物を、野積場へ直接積み付ける事が出来ます。また装置先端にあるバケットホイールを回転させ、積み付けられた貨物を削り取るように払い出します。遠隔操作も可能で、操縦席に人が常駐せず効率的な作業を行えます。

受入能力2,500トン/時間
払出能力600トン/時間

積み付け中

払い出し中

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シップローダー

塩・穀物等用シップローダー全景

貨物船に貨物を積み込む為の専用設備です。当社での積み込みは、国内輸送を目的とした内航船・艀が主となる為、アンローダーに比べると小型の設備です。塩・穀物等に代表されるシロモノ貨物用と石炭用の2系統に分けて運用する事で、貨物同士が混淆するリスクを最小限に抑えています。当社敷地内の保管施設からベルトコンベヤを経由した搬送が主ですが、トラックを介した船舶への積み込みも可能で、万一の機械トラブルや当社外からの持ち込まれた貨物の積み荷役にも対応出来ます。

穀物等用600トン/時間
石炭専用2,000トン/時間

塩を積み込み中

石炭専用シップローダー全景

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シップローダーとは…?

日本では原料輸入が多いので、バルク貨物の荷役においてはアンローダーの需要が多くなっています。逆に原料輸出国では、積み出し専用の積み出し機、いわゆるシップローダーを整備している場合が多いです。当社では、積み出し機の主な用途として、大型貨物船から小型の貨物船に積み替えた上で日本各地へ輸送する場合が多いため、アンローダーに比べ、小型の積み出し機を用意しています。小型とは言え、高さ10メートルは優に超えています。

倉庫設備

1号定温倉庫

直射日光や風雨による影響から貨物を守ることの出来る屋内保管施設です。当社では現在6棟の倉庫を保有し、保管する貨物の多様化に備えています。そのうち3棟は、保管環境の影響を受けやすい穀物に対応すべく、温度管理可能な定温倉庫として運用しています。

一般倉庫1,952平方メートル
定温倉庫7,347平方メートル
総床面積9,299平方メートル

塩倉庫

8号定温倉庫

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野積場

野積場と重機

屋内での貯蔵が非現実的となる大量の貨物を保管する為に整地された、屋外保管施設です。ヤードとも呼ばれています。2.6ヘクタールに及ぶ敷地面積から効率よく搬入・搬出が行えるよう、専用のスタッカー&リクレーマーを備えています。シップローダーからの内航船・艀積みによる大量輸送の他、ブルドーザーを用いた小口のトラック積み等、出荷量に応じた柔軟な対応が可能です。

総面積26,906平方メートル

硅砂

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穀物サイロ

穀物サイロ全景

穀物を貯蔵するためのタンクです。当社では主にコーンやマイロ・麦類・モルト・大豆等を保管しています。取扱い貨物の増加に伴い、現在では過去3度の増設を経て114基の保管ビンを有しており、現在ではロット管理の効率的な管理に役立ております。多様なニーズに応えるため、本船からの搬入に加えて、トラックによる搬入を行うためのコンテナピットを備えており、20フィート及び40フィートのコンテナをダンプアップヘッド無しで搬入することが出来ます。また搬出においてもシップローダーへの搬出はもちろん、24時間対応可能な自動出荷設備によるトラックへの積み出しが行えます。

収容能力14万トン
114基

トラック出荷コース

コンテナピット概略図

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加工場

硅砂加工場

保管した貨物の加工を行う施設です。顧客の要望に応えるため、当社では大豆と硅砂の加工場をそれぞれ有しています。大豆選別工場では、粒の大きさを揃える選別処理から梱包まで対応、硅砂加工場では、乾燥作業等を行うことが出来るようになっています。どちらも各保管設備に併設することで、搬入から出荷までを効率的に行えるよう配慮しています。

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屋内貯炭場

屋内貯炭場全景

環境にも配慮した、京浜港でも珍しい屋内型の石炭保管施設です。2.2ヘクタールを超える面積に、28万トン超の石炭が保管可能です。風雨の影響を受けずに一定の品質を維持する事ができ、炭温監視システムにより、大量の石炭を安全に保管できます。また、傾斜した屋根も雨水の回収に活用しています。四隅に配置されている貯水タンクを経由して、構内の浄水設備で処理した後、貯炭場内の散水や荷役設備の洗浄に用いる事で、枯渇が懸念される水資源の有効利用に繋げています。

22,736平方メートル
収容能力285,000トン

屋内貯炭場内部

地下を走る積み出し用ライン

三角屋根の秘密?

砂を手の平から、同じ場所に少しずつ落としていくと、山が出来ます。ある程度積もると、その山の角度は一定になっていきます。この角度を安息角と言います。安息角は物によって変わってきます。貯炭場の三角屋根の角度を石炭の安息角と同様にする事で、天井付近の搬入装置から落下させた石炭が、自然に三角屋根と同角度で積まれて行きます。屋内と言う限られた空間に無駄なスペースを発生させず、効率的な保管が出来るよう工夫しています。